経済的に困窮している家庭や、食事の支度が満足にできない家庭の子どもに無料、あるいは低価格で食事を提供する民間の取り組み。利用できるのは主に、ひとり親や共働きの家庭の子ども、親のネグレクト(育児放棄)を受けている子どもなど。食事の場を定期的に設けることで、栄養バランスの取れた食事を取ってもらうと同時に、普段は大人数で食べる機会が少ない子どもにだんらんの場を提供することを目的とする。寄付で集めた食材などを使い、無料から300円程度で提供していることが多い。2012年ごろに東京都で始まったといわれ、その後、全国の福祉団体や地域ボランティアなどによって同様の取り組みが広がった。15年4月に発足した連絡会「こども食堂ネットワーク」(http://kodomoshokudou-network.com/)によると、16年1月時点で首都圏に30カ所以上あり、他の地域でも開設が相次いでいる。14年7月の厚生労働省の発表によると、平均的な所得の半分(12年時点で122万円)以下の世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す子どもの貧困率は、06年14.2%、09年15.7%と増加傾向で推移、12年には16.3%と過去最悪を更新。子どもの6人に一人が貧困状態にあり、経済協力開発機構(OECD)の調査でも加盟34カ国の平均値を上回っている。こうした現状下、貧困家庭への支援としても注目が高まっている。