特に大きな危険が予想される状況で職務に従事していた公務員が死亡、負傷した場合に認定される公的補償の一種。地方公務員災害補償法で定められた制度であり、死亡の場合に遺族に支払われる年金や一時金は、通常の公務災害の最大1.5倍まで引き上げられる。金額は、年齢や勤続年数によって異なる。警察官や消防職員などだけではなく、災害対応などの危険な業務に従事していた一般職員でも受けることが可能だが、認定には目撃証言など、危険な状況で働いていたことを示す客観的な証明が必要。2011年3月11日の東日本大震災では、津波などにより多数の地方公務員が勤務中に死亡したが、死亡時の状況証明が困難なケースが多く、補償の認定は進んでいない。認定の審査を担当する地方公務員災害補償基金(本部・東京都千代田区)によると、13年6月の時点で、宮城、岩手、福島の3県で死亡した公務員142人の遺族らが特殊公務災害を申請しているが、そのうち認定されたのは24人。同年7月5日には、宮城県南三陸町の防災対策庁舎で死亡、または行方不明となり、遺族らが認定を求めていた町職員33人のうち、32人が不認定になったことも報じられた。