東京都品川区の大井ジャンクションから江戸川区の葛西ジャンクションへ至る首都高速道路の路線。延長約47キロ。同線は、1963年に首都圏の道路交通の骨格として公表された3環状道路の一つとして、東京外郭環状道路(外環道)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)とともに構想された。87年9月に東側区間の葛西ジャンクション~江北ジャンクション間、2002年12月に北側区間の王子線、10年3月に西側区間の新宿線が開通。大井ジャンクションと目黒区の大橋ジャンクションを結ぶ品川線(約9.4キロ)は、首都高速道路と東京都が共同して06年度から整備に着手した。当初は13年度の完成を目指していたが、景気低迷などの影響で整備が遅れ、15年3月7日に開通。中央環状線は構想から52年を経て、3環状道路で初めて全線が開通した。これにより、新宿~羽田空港間の所要時間が40分から20分に短縮されるほか、都心環状線の慢性的な渋滞の緩和、物流の効率向上といった効果が期待されている。今回開通した区間を含む山手トンネルは全長約18.2キロで、関越道の関越トンネルを抜き、道路トンネルとして日本一の長さとなった。トンネル内には、約50メートルごとに消火器や消火栓、約100メートルごとにテレビカメラや非常電話、約250メートルごとに非常口を設置するなど、安全・防火対策が講じられている。