薬物の影響などによって、2種類以上のアディクション(嗜癖。やめようと思いながらもやめることができない悪習慣)を併発している状態。多重嗜癖(たじゅうしへき)とも呼ばれる。薬物依存とアルコール依存、摂食障害と窃盗癖、アルコール依存とニコチン依存、薬物依存とセックス依存など、多様な組み合わせがある。これらのアディクションは、対象が異なっても、根本に不安や虚無感といった原因があり、ほぼ同じメカニズムで形成される。そのため、一人がいくつかのアディクションを同時に抱え込むことが珍しくない。また、危険ドラッグをやめてアルコール依存になったり、断酒をした人がイライラしてギャンブル依存になったりするなど、一つのアディクションを抑えたために別の対象に依存し始めることもある。アルコール依存からギャンブル依存、薬物依存へと、反社会性が強い対象に移行しつつアディクションが持続し、エスカレートしていくケースも多い。治療にあたっては、まずはいずれか一つのアディクションの回復を図ることが大切である。