高齢により筋力の低下、活力の衰えが見られる段階のこと。75歳以上の多くの場合、この段階を経て、徐々に要介護状態に陥るとされている。健康と病気の中間段階であり、早期に適切な介入をすれば生活機能の維持・向上が期待できるが、これまでは老化現象として見過ごされがちだった。従来、老年医学において英語で「frailty」、日本語で「虚弱」、「衰弱」などの訳語で呼ばれていたが、2014年5月、日本老年医学会が新たな統一した訳語として「フレイル」を提唱し、医療介護の専門者がこの段階での予防に取り組むよう提言をまとめた。アメリカ老年医学会の評価法では、(1)1年間で4~5キログラムの体重減少、(2)疲れやすくなった、(3)筋力(握力)の低下、(4)歩行スピードの低下、(5)身体の活動性の低下という五つの要件のうち、三つが当てはまると、この段階にあると認定している。