覚醒剤や麻薬に似た、幻覚作用を起こす成分が添加された香草。法規制から逃れるために、規制薬物や指定薬物の化学構造をわずかに変化させてつくる脱法ドラッグ(違法ドラッグ、危険ドラッグ)の一種。吸引すると、嘔吐(おうと)やパニック発作のほか、呼吸困難、意識障害などの深刻な健康被害を引き起こす場合がある。長期使用すると、依存症に陥る恐れもある。近年、吸引後の車の運転による暴走事故や事件などが多発し、社会問題化している。厚生労働省は幻覚作用を起こす成分を指定薬物として禁止してきたが、化学構造の一部を変えた新たなものがすぐに出回るため、2013年3月に基本構造が似た成分を指定薬物としてまとめて規制できる包括指定を導入。指定薬物の指定数は、14年6月には1378物質となり、同年4月からは指定薬物の所持、使用を禁ずる改正薬事法も施行された。しかし、これらの成分の鑑定には2~3カ月かかるため、現行犯逮捕が遅れる、規制をかけるまでの間に新たなものが出回るなど、取り締まりが追い付いてない現状がある。