国内には常在せず、旅行者や輸入食品、輸入動物などによって国外から持ち込まれる感染症。輸入伝染病、旅行者感染症とも呼ばれる。日本で輸入感染症とされる代表的な病気としては、コレラや細菌性赤痢、腸チフス、マラリア、デング熱、黄熱病、狂犬病などがある。旅行者が国外で感染した後、日本に入国してから発症するケースが多い。2013年の全国累積報告数は、コレラ4、細菌性赤痢142、腸チフス66、マラリア48、デング熱249など(国立感染症研究所の「感染症発生動向調査」より)。近年、海外旅行者の増加や国際交流の発展により、こうした病気が持ち込まれる危険性が高まっているが、従来は国内ではまれな病気だっただけに、対応できる医療機関が限られている場合もある。感染を防ぐには、海外渡航前に予防接種をしたり、渡航先での野生動物との接触を避けたりすることが重要になる。