脳内の血流が阻害されて、脳機能に障害が起きる疾病の総称。医学的には脳血管障害と呼ばれ、血栓や動脈硬化により脳の血管が詰まる脳梗塞、血管が破れて出血する脳出血、脳を覆う膜の間で出血を起こすクモ膜下出血の三つに大別される。発症すると、急激な意識障害や、手足のまひ、言葉が話せなくなるなどの発作症状が現れ、そのまま死に至ることも少なくない。また、一命を取り留めた場合でも、脳が損傷を受けたために、まひや言語障害などの後遺症が残ることが多い。1951年から80年までは日本人に最も多かった死亡原因であり、治療法や救急医療が発達した2013年時点でも第4位と依然として上位に位置する。11年の厚生労働省調査によると、全国の患者数は約123万5000人。死亡例の約60%以上が脳梗塞で、脳出血は約25%、クモ膜下出血が約10%強となっている。高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの疾病がある人や、過度の飲酒、喫煙などの生活習慣がある人は脳卒中のリスクが高くなるため、予防にはそうした病気の治療や生活習慣の改善などが重要になる。