ラジオのFMでAMと同じ放送を同時に流すサービス。AM波が届きにくいエリアでの難聴取の解消、地震などの大災害で放送設備が被害を受けた場合への備えなどを目的としている。総務省では、2013年7月公表の「放送ネットワークの強靱化に関する検討会」の提言を踏まえて、AMの補完的な放送を行う中継局に関する制度の整備を進めてきた。14年7月16日、南日本放送(鹿児島県)のFM補完中継局「MBC鹿児島FM」(92.8メガヘルツ)に、災害対策用として全国初の予備免許を付与。8月19日に北日本放送(富山県)のFM補完中継局「KNB富山FM」(90.2メガヘルツ)、10月31日には南海放送(愛媛県)のFM補完中継局「エフナン(Fnam)」(91.7メガヘルツ)にも災害対策用の予備免許が付与された。同年12月1日には、KNB富山FMとエフナンが全国初の本放送を開始し、15年1月1日にはMBC鹿児島FMも本放送を開始した。14年9月3日には、TBS、文化放送、ニッポン放送の在京AMラジオ3社も、FM補完中継局の予備免許を取得。東京スカイツリーで送信設備の工事を進めており、15年9月に試験放送を実施する。本免許取得後の同年秋から冬にかけて、本放送を開始する予定。周波数はTBSが90.5メガヘルツ、文化放送が91.6メガヘルツ、ニッポン放送が93.0メガヘルツで、東京都23区、埼玉県、千葉県、神奈川県の主要都市とその周辺で聴取が可能となる。