カビや化学物質、動物性たんぱく質などを繰り返し吸い込むことによって起こる過敏性肺炎の一種。高温多湿な5~10月頃によく発症し、冬場には見られないことから夏型という病名がついた。風通しがよくない押し入れの床板、畳、飼っている小鳥の糞(ふん)などに発生しやすいカビの一種、トリコスポロン・クタネウムを吸い込むことが原因であることが多く、「カビ肺炎」などとも呼ばれる。日本の過敏性肺炎で最も多く、全体の4分の3を占めるといわれる。初期症状は発熱や倦怠感(けんたいかん)、せきなどで、悪化するとひどい息切れを起こし、呼吸が困難になる。治療は原因となっている物質を避けることが基本で、症状が強い場合にはステロイド薬が用いられる。なお、病状が回復しても原因物質がある環境に戻ると再び症状が悪化するほか、慢性化すると原因物質から離れても症状がよくならず、肺が硬く縮んで線維化するために呼吸ができなくなり、命に関わることもある。対策としては換気や除湿によってカビの発生を防ぐことが大切。