脂質の構成成分である脂肪酸のうち、炭素同士の結び付きに二重結合を持たないもの。牛や豚の脂肪、バター、チーズなどの乳製品に多く含まれている。人の体内でも合成が可能。エネルギーを作り出したり、コレステロール値を高めたりする働きがある。溶ける温度が高く、常温では固体の状態で存在する。そのため、体内で固まりやすく、過剰に摂取して血中に増えすぎると血液の粘度が高まって流れにくくなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを招きやすくなる。一方、摂取量が不足すると、血管がもろくなって脳出血を起こすリスクが高くなる。2016年7月5日、アメリカのハーバード大学の研究チームが32年にわたって12万人を対象に行った研究の結果、飽和脂肪酸をより多く摂取するほど早死のリスクが高まることを確認したと発表。摂取量が5%増えるごとに死亡リスクが8%高まるという関連性があった。また、飽和脂肪酸をオリーブオイル、菜種油などの不飽和脂肪酸に置き換えることで、健康上の大きな恩恵が得られる可能性があることもわかった。