原虫のクルーズトリパノソーマが寄生して起こる感染症。アメリカトリパノソーマ症とも呼ばれる。主に、吸血性カメムシのサシガメなどが吸血した際、糞(ふん)に含まれる原虫が体内に入り込んで感染する。この他、母子感染や輸血、臓器移植によって感染することもある。中南米で多く見られ、全世界の感染者は約700万~800万人と推計される。感染から数週間で、発熱、発疹、リンパ節の腫れ、肝臓や脾臓(ひぞう)が腫れる肝脾腫などの急性期症状が見られる。また、感染者の10~30%で、数年~数十年の潜伏期間の後に、慢性心筋炎などの心疾患、巨大結腸、巨大食道などの消化器疾患、神経疾患などが起こる。心臓が徐々に肥大して心臓破裂により死亡することもある。治療としては、急性期には抗原虫薬のベンズニダゾールまたはニフルチモックスを投与する。2013年8月、厚生労働省は、中南米出身の40代の男性が同年6月に献血した血液の検査から、日本国内で初めてシャーガス病の抗体陽性を確認したと発表。