トラフグによく似たフグ科の海水魚。学名はtakifugu chinensis。たんに「カラス」と呼ばれることもある。日本海西部から黄海、東シナ海にかけて生息し、体長は約50センチメートル。尾びれが黒いことでトラフグと区別される。卵巣や肝臓などには強いフグ毒を持つが、肉や皮、精巣は無毒。味がよく、食用に適していることから、トラフグの代用として刺身などのフグ料理に用いられることが多い。そのため、近年では乱獲が進み、独立行政法人水産総合研究センター(神奈川県横浜市)などの研究によると、水揚げ量のピークだった1969年以降の40年間で個体数が99.99%も減少したとされる。絶滅の恐れがある動植物として国際自然保護連合(IUCN)が2014年11月に発表した「レッドリスト」では、野生における絶滅のリスクが最も高い「絶滅危惧1A類」に新たに指定された。