1969年にウクライナの天文学者、クリム・チュリュモフとスベトラーナ・ゲラシメンコが発見した彗星(すいせい)。ハレー彗星などと同様に、太陽の周囲を楕円軌道を描きながら運行する周期彗星の一つ。2014年11月時点の公転周期は約6年半で、火星と木星の間に位置し、15年8月に太陽に最接近する。同彗星は、大小二つのかたまりがくっついた、雪だるまに似た形状をしており、大きさは最も長い部分で約4.1キロメートル。体積は約25立方キロメートルと推定されている。14年8月には、欧州宇宙機関(ESA)が同彗星の調査のために04年3月に打ち上げた無人探査機ロゼッタ(Rosetta)が10年以上の航行を経て、彗星から約100キロメートルの位置に接近。14年11月には、ロゼッタから分離した着陸機フィラエ(Philae)が世界で初めて彗星表面への着陸を果たした。フィラエは着陸時のトラブルに伴う電力不足のため2日ほどで“休眠状態”になったが、電源が尽きるまでの間にさまざまなデータの取得に成功。太陽系の成り立ちや水の起源に関する謎を解く手がかりになることが期待されている。