オーストラリアのタスマニア島のみに生息する有袋目フクロネコ科の動物。学名は「Sarcophilus harrisii」。フクロアナグマ、フクログマとも呼ばれる。体長は50~80センチメートル、体重は5~9キログラムで、肉食性の有袋類としては現生する最大種。体は黒い毛に覆われており、のどに三日月状の白い毛が生えている。夜行性で小動物や鳥などを捕食するほか、ワラビーなどの死体を食べる。その習性と騒がしい鳴き声から、ヨーロッパからの入植者によってデビルと名付けられた。1996年に顔面に腫瘍ができる伝染病が確認され、その後の約20年間で生息数が8割程度も減少。2008年にはタスマニア州政府によって絶滅危惧種に指定された。13年からは保全プログラムの一環として、他国の動物園での飼育を進める取り組みが行われ、16年5月には東京都日野市の多摩動物公園でメス2頭の飼育が開始された。同年6月時点で、日本で飼育されているタスマニアデビルはこの2頭のみで、アジアでも唯一の展示となる。