生物に超小型のビデオカメラやデジタル記録計(データロガー)を取り付けて、行動を計測する研究方法。日本が他国に先駆けて開発した。名称は、「バイオ(生物)」と「ロギング(記録を取る)」を組み合わせた和製英語。目視で観察できない海洋生物の行動や生理、社会行動、生物環境などを研究対象としている。これまで、データロガーの回収は巣に戻る生物でなければ難しかったが、近年、国立極地研究所生物圏研究グループの渡辺佑基助教がデータロガーの回収システムを構築。研究対象となる生物が増えたことから、研究範囲が広がった。また、調査結果がテレビ番組などに取り上げられることで話題になり、注目されるようになった。同氏がこの手法を用いて調べた結果から、時速80キロで泳ぐとされていたマグロの平均的なスピードは時速7キロ程度であることや、マッコウクジラは浮力の調整に頭部の脳油というワックスを使うとされていた仮説も事実ではないことなど、従来の研究方法では明らかにできなかった海洋生物の実態が報告されている。