2015年3月6日に南太平洋で発生し、バヌアツ共和国やツバル共和国に甚大な被害を与えた超大型サイクロンの名称。同月8日に熱帯低気圧となり、その後、サイクロンの強度5段階のうち最も強い「カテゴリー5」に発達し、同月13~14日にかけてバヌアツを直撃。首都ポートビラでは雨量が36時間で約229ミリ、瞬間最大風速は約85メートルに達し、住宅の9割が倒壊するなどの被害が出た。ツバルでも、人口の約45%が被害を受ける事態となった。近隣のオーストラリアや日本をはじめとした各国政府、国際赤十字などが救援活動や支援に乗り出しているが、80を超える島からなるバヌアツは、ほとんどの島に航空機が着陸できる場所や船が着ける水深の十分な港がない。そのため、救援活動や被害の全体像の把握が遅れており、水や食料、医療用品などの不足が懸念されている。自然災害や紛争などから人命を守るため各機関との調整に当たる国連人道問題調整事務所(OCHA)の同月23日現在の状況報告によれば、バヌアツでの死者は11人、被災者は22の島の約16万6000人で、うち子どもが8万2000人。約7万5000人が緊急避難所を必要とし、清潔な飲料水を必要とする人々は約11万人という状況にある。