クジラやイルカなど、本来は海に生息する生物が陸上に打ち上げられたりして、自力で戻れなくなること。「ストランディング」とは、英語で「座礁」を意味する。クジラやイルカなど鯨類だけではなく、アザラシやウミガメなどが含まれる場合もある。生きたままの座礁をライブストランディング、死んだ状態で漂着することをビーチング(beaching)と区別することもあるが、一般的には生死を問わずストランディングと呼ぶ。また、本来の生息域を離れて河川などに迷い込むことや、定置網などでの混獲(incidental catch)についても、この語が用いられることがある。複数の個体が同時に打ち上げられることはマスストランディング(集団座礁)と呼ばれる。こうした現象が起こる原因としては、エサを深追いした、シャチなどの外敵から逃れようとした、地磁気の乱れによって方向感覚が狂った、寄生虫に神経組織を破壊された、船舶などの発する音に驚いたなど諸説あるが、はっきりしたことはわかっていない。日本では年間100例以上が報告されており、水産庁は2004年に救助や処分についての指針を作成した。15年4月10日、茨城県鉾田市、鹿島市の海岸に156頭のカズハゴンドウというイルカが集団座礁し、また同月15日には北海道様似町の海岸で希少種のハッブスオウギハクジラが座礁し、話題になった。