太平洋の亜熱帯域を広く覆う高気圧。赤道付近で暖められて上昇した大気が、緯度30度付近で集積、沈降して発生する。同様のメカニズムで大西洋にできる高気圧帯はアゾレス高気圧と呼ばれる。太平洋高気圧はさらに、ハワイ諸島を中心にできる北太平洋高気圧と南太平洋にできる南太平洋高気圧に分けられるが、日本では前者を指す場合がほとんど。その西端は日本の南方海上に達し、特に小笠原諸島から南鳥島周辺にまで張り出してきたものは小笠原高気圧と呼ばれることもある。1年を通して太平洋上に存在し、日本では夏にその勢力が最も強くなる。このとき、日本列島への張り出しが強いと暑さの厳しい夏になり、反対に張り出しが弱いと冷夏になる。