夜間の放射冷却によって地面付近の空気が冷やされて発生する霧の一種。雲のない晴れた夜に地面の熱が放射によって大気中に逃げ、地面付近の気温が露点以下に低下することで、空気中の水蒸気が水滴となって霧が発生する。風が弱く晴れた日の早朝に発生することが多く、太陽が昇って気温が上昇すると消える。輻射霧、地霧とも呼ばれる。また、盆地に発生することが多いことから、盆地霧と呼ばれることもある。秋から冬にかけて、内陸部の盆地や川沿いの地域で多く見られる現象で、長野県の諏訪盆地などでは初冬の風物詩とされる。2014年11月13日の朝には、埼玉県内の広い地域で放射霧が発生し、さいたま市の高層ビルなどが深い霧に覆われたことが話題になった。