法的な証拠を取得するために、スマートフォンや携帯電話などのモバイル端末に残されたデータを抽出したり、消去されたデータを復元したりする技術。フォレンジックには法医学、科学捜査、鑑識作業といった意味があり、モバイルフォレンジックは、いわばモバイルを対象とした鑑識作業である。近年、犯罪捜査や裁判においてスマートフォンや携帯電話の履歴などが重要な証拠になるケースも増えていることから注目されるようになっている。通話履歴のほか、メールのメッセージ、画像や動画のデータ、アドレス帳、インターネットの利用履歴、GPSの位置情報などのデータが検出可能。削除されたデータも、ほぼ100%復元することができる。2015年12月にアメリカのカリフォルニア州で発生した銃乱射事件の捜査の際、FBIが犯人のiPhoneのロック解除をアップル社に要請したが、同社はプライバシー侵害を理由に拒否。その後、FBIが第三者の協力を得てロック解除に成功したことから、同技術が話題となった。