熊本県の阿蘇火山が有する世界最大級の阿蘇カルデラを中心とした自然公園。ジオ(Geo)は大地、地球という意味で、ジオパークとは、地球科学的に貴重な地質や地形を兼ね備えた自然公園のこと。教育や観光にも活用し、自然に親しむことを目的としている。阿蘇地域の自治体は、火山とともに暮らしてきた阿蘇の魅力を世界に広めるべく、2009年5月に「阿蘇ジオパーク推進協議会」を設立。14年9月23日には、ユネスコが支援し、世界30カ国100地域(2013年9月時点)が加盟する世界ジオパークネットワーク(GGN、本部・パリ)により、世界ジオパークに認定された。日本国内では、糸魚川(新潟)、洞爺湖有珠山(北海道)、島原半島(長崎)、山陰海岸(京都・兵庫・鳥取)、室戸(高知)、隠岐(島根)に次いで7番目の認定となる。認定されたのは、阿蘇市を中心とした1市4町3村にまたがる約1198平方キロメートルに及ぶエリア。阿蘇火山の大地と人間生活というテーマのもと、カルデラを作り出した巨大噴火の歴史、阿蘇火山群の中央に位置する中岳火口と周辺地域の特殊な景観、火山がもたらす恵みを受けて暮らす地域の人々の生活や文化を知ることができるジオサイトが数多く点在している。