山の斜面などを吹き上がる空気が、上昇とともに冷やされて発生する霧。上昇霧とも呼ばれる。山や丘陵などの斜面を吹き上がる空気は、上昇するにつれ気圧が小さくなるため膨張し、冷却される。こうして空気中の水蒸気が冷やされ飽和に達すると凝結し、霧が発生する。山にかかる山霧は、滑昇霧の典型とされる。比較的狭い範囲で、急速に発生することが多い。2015年4月に広島県三原市の広島空港でアシアナ航空の旅客機が着陸に失敗して乗客・乗員25人が負傷した事故では、事故直前に滑走路周辺に滑昇霧が発生し、視界が急速に悪化したと考えられている。同空港は標高約330メートルの台地にあるため、平地と比べて滑昇霧が発生しやすい地形といわれる。