人々を笑わせ、考えさせてくれた研究に贈られる賞。1991年に創設され、アメリカの科学雑誌「Annals of Improbable Research」などが主催している。賞の名称は、ノーベル賞の創始者「Nobel」に「反対の」という意味の接頭辞「Ig」をつけた造語。ノーベル賞のパロディー版で、「裏のノーベル賞」とも呼ばれている。部門は開催年によって異なるが、物理学賞、化学賞、平和賞、文学賞、経済学賞などがあり、毎年10の個人やグループに対して授与される。独創性に富んだ研究や地道な研究に脚光を当てる一方、皮肉や風刺として授与されることもあり、研究者が受賞を喜ばない場合もある。2002年に犬語翻訳機「バウリンガル」開発者が平和賞、13年にはタマネギの催涙成分を作る酵素を発見したハウス食品などのグループが化学賞を受賞するなど、日本人も数多く受賞している。14年9月18日に発表された第24回では、摩擦係数を測ってバナナの皮の滑りやすさを証明した北里大学医療衛生学部の馬渕清資(きよし)教授らのグループが物理学賞を受賞。日本人の受賞は07年から8年連続で、これまでの受賞数は計20件となった。