鹿児島県奄美大島近海に生息するフグの一種。フグ目フグ科シッポウフグ属に分類される。学名は「Torquigener albomaculosus」。体長は10~15センチで、体の表面は水玉状の模様をしている。アマミホシゾラフグのオスは毎年、春から夏にかけて、尾びれを使うなどして海底の砂地に直径約2メートル大の円形の産卵巣を作る。産卵巣は外側に二重の土手があり、中心部から放射状に二十数本の線が伸びる。メスは円形の中心で産卵し、卵がふ化するまでオスが守る。この模様の存在は1990年代から知られていたが、正体が不明なため、海底のミステリーサークルと呼ばれていた。2011年に水中写真家の大方洋二が初めて巣作りの様子を目撃。14年に国立科学博物館の松浦啓一名誉研究員らの調査で新種と判明し、同氏が論文で発表した。15年5月には、アメリカのニューヨーク州立大学国際生物種探査研究所が発表した同年の「世界の新種トップ10」に選出。これは、同研究所が毎年、前年に発表された新種の中から、生態の珍しさなどで注目すべき10種を選出するもので、日本から報告された新種としては初のトップ10入りとなった。