人に寄生するシラミであるヒトジラミの亜種の一つ。学名はPediculus humanus。卵は長さが約0.5~1ミリで灰白色のだ円形をしており、人の髪の生え際に産み付けて、髪に固着する。卵は約1週間で幼虫になり、脱皮を繰り返して10日ほどで成虫となる。成虫の体長は1~3ミリで、寿命は約1カ月。一生の間に約100個の卵を産む。ふ化後は人の頭に寄生して頭皮から血を吸い、かゆみや湿疹などを引き起こす。頭と頭を接触させたり、タオルやブラシ、帽子を共有したりすることによって感染する。特に、頭をくっつけて遊んだり、集団で昼寝をしたりすることが多い幼児や小学校低学年の子どもたちに感染しやすい。感染を予防するには、毎日シャンプーをして子どもの頭は親がこまめに確認すること、タオルや帽子などの身の回りの物を共有しないようにすることなどが必要。感染していることがわかったら、毎日シャンプーをして目が細かい専用のクシで卵や成虫を駆除したり、シラミ駆除用のシャンプーやパウダーを使ったりする。アタマジラミは駆除後も3日ほど生きているため、再び寄生されないように枕カバーやシーツは毎日取り替え、60度以上のお湯に5分以上漬けてから洗濯する。近年、保育園児や小学生の間で感染が流行しており、2014年度に東京都内の保健所に寄せられたアタマジラミに関する相談件数は1602件。12年度の815件からほぼ倍増した。若い親世代にアタマジラミの知識がないこと、駆除剤が効かないシラミが登場していることなどが、流行の一因ではないかといわれている。