航空機のパイロットが操縦技能を維持したり、新しい路線に慣れたりすることを目的として行う飛行。航空法に明確な定めはなく、慣習として行われている。操縦の資格を持たない人が同乗してもルール違反にはならず、パイロットの免許を取得しようとする人が操縦を見学するために同乗する場合もある。遊覧飛行との区別があいまいであり、慣熟飛行を装った遊覧飛行が行われている可能性も少なくないとされる。2015年7月26日、調布飛行場(東京都調布市、滑走路全長800メートル)を離陸した直後に住宅街に小型飛行機が墜落して8人の死傷者を出した事故も、飛行目的は慣熟飛行として届け出られていた。しかし、同乗者が死亡したパイロットの知人ら4人だったこともあり、慣熟飛行に当たるかどうかは疑問視されている。同飛行場を管理している東京都は、地元の調布市などの意向を受けて、自家用機による営利目的の遊覧飛行を禁止。慣熟飛行については、操縦免許を所有している人や、免許の取得を目指す人が同乗する場合に限って認めている。