奇蹄目サイ科シロサイ属に分類されるシロサイの亜種。シロサイはサイの中では最大種で、陸上の哺乳類ではゾウに次いで大きい。体長3.3~4.2メートル、体高1.5~1.9メートルで、体重は1.4~3.6トン。シロサイにはキタシロサイとミナミシロサイの亜種がある。ミナミシロサイは絶滅の危機を乗り越えて約2万頭にまで生息数が回復した。一方のキタシロサイは、高値で取引される角を狙った密猟が数十年にわたって横行したことなどにより生息数が激減。さらに、コンゴ民主共和国などの生息地域では内戦が続いていたために保護活動が停滞し、野生の個体は絶滅した。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。2014年10月、ケニアのオルペジェタ自然保護区内で、推定34歳のオスが死亡。同年12月14日には、アメリカのカリフォルニア州にあるサンディエゴ動物園で飼育されていた推定44歳のオスも死亡した。これによって、自然繁殖可能なオスのキタシロサイは姿を消し、現存するのはオス1頭、メス4頭の計5頭のみ。体外受精など種の保存に向けた懸命の取り組みも行われているが、失敗が続いているため、絶滅の危機がますます高まっている。