有人火星探査における宇宙ステーションでの生活を模した実験。NASA(アメリカ航空宇宙局)の資金提供のもと、ハワイ大学マノア校とコーネル大学が共同で実施しており、2013年4月に開始した第1回のミッションを含め、全4回の実験を予定している。実験では、ハワイ島のマウナ・ロア山のふもとに火星探査ステーションを模したドーム型の居住施設を建設し、科学者らがそこに長期間滞在して火星での生活をシミュレーションする。実際の宇宙探査同様、持ち込める食料は保存食のみで、施設の外に出る場合には宇宙服を着用しなければならない。また、インターネットを使用する際は、地球と火星の通信と同様、20分間の遅延が発生する。このように、外界とほぼ隔絶された環境下での参加者の心理状態や行動を調査するのが実験のねらい。14年10月にスタートした第3回のミッションでは、6人の男女が過去最長となる8カ月の滞在実験を実施する。