アルカロイド系の合成麻薬製剤の一種で、アヘンに含まれる成分から合成される。1995年にアメリカ食品医薬品局(FDA)が錠剤を承認、同国内では医師の処方せんがあれば薬局で容易に購入できるようになり、けがや歯痛などの鎮痛剤として広く用いられている。一方、錠剤を砕いて鼻から吸ったり、水に溶かして注射したりすると麻薬に似た高揚感が得られるため、地方で乱用が問題になり、「田舎のヘロイン」とも呼ばれている。密売も横行しているほか、著名人の乱用も話題になり、2008年に薬物過剰摂取で死亡した俳優のヒース・レジャー、09年に死亡した歌手のマイケル・ジャクソンらが常用していたと報じられている。日本では03年に承認され、中等度から高度の痛みを伴うがんの鎮痛に用いられている。医療用麻薬に指定されており、医師の処方せんが必要。15年6月11日、トヨタ自動車のアメリカ人常務が、オキシコドンをアメリカから密輸しようとした麻薬取締法違反の疑いで逮捕された(後に起訴猶予処分)。同法では、厚生労働大臣の許可を受けた業者以外がオキシコドンを輸入することを禁止している。ただし、病気の治療目的で処方されている人が事前に地方厚生局長の許可を受けている場合は、例外的に使用者本人が携帯して持ち込むことができる。