ビッグデータを分析してビジネスに活用する専門家。分析人材と呼ばれることもある。ネットワークの高速化やスマートフォンなど情報端末の普及によって得られた膨大な情報を、経営戦略などに活用しようと考える企業は多いが、情報間の相関関係や傾向を読み取って実際の業務に役立てるためには幅広い専門知識が必要になる。明確に定義されているわけではないが、データサイエンティストはこうした要請に応えるため、統計学や数理学の知識に加えて、統計分析ソフトを使いこなすITスキルや、企業の課題を的確に把握し解決案を提示するコンサルティング能力などが求められるとされる。2012年10月にアメリカの雑誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」が「21世紀で最も魅力的な職業」と呼んだこともあり一躍注目を集めるようになったが、13年7月時点で日本国内の人材は1000人程度といわれ、将来的に人材不足が予想されている。そのため、各企業では人材の確保、育成に力を入れる動きが目立つ。また、同年7月には、統計学者や企業のデータ分析担当者らが中心となって、一般社団法人データサイエンティスト協会(東京都品川区)を設立。今後、必要とされる知識や技術を定義し、講座や認定試験などを通して人材育成に努めるとしている。