それぞれの建造物が持つ振動しやすい特有の周期である固有周期が1.5秒程度~8秒程度の高層ビルを対象に、地震時の人の行動の困難さの程度や、家具・什器の移動・転倒などの被害の程度から区分した揺れの大きさの指標。気象庁が2013年3月から、一般的な揺れの大きさを示す震度とは別に発表している。階級は1~4の4段階に区分されている。階級1は、室内にいたほとんどの人が揺れを感じ、驚く人もいる程度で、ブラインドなどが大きく揺れる。階級2は、室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる体感で、物につかまらないと歩行などに支障が生じる。キャスター付きの什器がわずかに動き、棚の食器類や本が落ちることがある。階級3になると立っているのが困難になり、キャスター付きの什器が大きく動き、固定していない家具が移動したり、倒れたりする。階級4では、立っていられず、はわないと動くことができないほど揺れに翻弄(ほんろう)される。キャスター付き什器が大きく動いて転倒するものがあり、固定していない家具の大半が移動して、倒れるものも出てくる。また、間仕切り壁などにひび割れ、亀裂が多くなる。平成28年熊本地震では、16年4月15日午前0時3分に発生した震度6強の余震により、同県宇城(うき)市において国内初の長周期地震動階級4が観測された。