ロシア南部のゼレンチュクスカヤにある電波望遠鏡。世界最大級の電波望遠鏡で、1968年に建てられ、74年から運用がスタートした。地球外生命体が存在する証拠を求めて宇宙観測を続けている。2015年5月、イタリア人天文学者のクラウディオ・マッコーネらの研究チームが、この望遠鏡を使って、地球から約95光年離れた「HD164595」という恒星の方向から届いた強い電波を感知していたことが、16年8月27日、深宇宙探査に関する最新動向を伝えるウェブサイト「ケンタウリ・ドリームス」で発表された。同研究チームによると、この信号が発信元から全方向に対して発せられた等方性ビーコンからのものだった場合、ロシアの天文学者ニコライ・カルダシェフによるカルダシェフの宇宙文明分類のうち、地球文明よりはるかに進歩した、恒星規模のエネルギーを扱うことができる「タイプ2」の文明によるものであると考えられるという。ちなみに「タイプ1」は「惑星規模のエネルギーを扱うことができる」文明、「タイプ3」は「銀河規模のエネルギーを扱うことができる」文明と定義される。21世紀の地球文明は、「タイプ0」と「タイプ1」の中間にある。しかし、この信号が、軍が利用する電波スペクトルの一部で観測されていることなどから、各種のノイズである可能性も否定できないため、引き続き観測が続けられている。