布田川(ふたがわ)断層帯は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村から上益城(かみましき)郡益城町木山付近を経て、宇土(うと)半島の先頭に至る活断層帯。全体の長さは約64キロメートル以上の可能性があり、断層線の分布などから、布田川区間、宇土区間、宇土半島北岸区間に区分される。このうち布田川区間は、今後30年の間に地震が発生する可能性が主な活断層の中ではやや高いグループに属し、マグニチュード7.0程度の地震が最大0.9%の確率で発生すると推定されていた。国土地理院は2016年4月18日、平成28年熊本地震において、同月16日午前1時25分に発生したマグニチュード7.3の本震は同断層帯の東側の区間が活動したとの見解を示した。
日奈久(ひなぐ)断層帯は、布田川断層帯と北端で接し、同県上益城郡益城町木山付近から葦北(あしきた)郡芦北町を経て、八代海南部に至る活断層帯。全体の長さは約81キロメートルの可能性があり、過去の活動時期から、高野―白幡区間、日奈久区間、八代海区間に区分される。八代海区間は、最新活動時期が約1700年前から約900年前の間と推定され、744年の肥後地震の可能性がある。また同区間は、今後30年の間に地震が発生する可能性が主な活断層の中では高いグループに属し、マグニチュード7.3程度の地震が最大16%の確率で発生すると推定されていた。2016年4月14日午後9時26分に発生した平成28年熊本地震のマグニチュード6.5の前震は、同断層帯北東部が震源となった。