2016年4月14日午後9時26分以降、熊本県から大分県などを中心に連続して発生した一連の地震活動のこと。21日に気象庁が名称を正式に発表したが、一部には熊本大分地震とする声もあった。14日午後9時26分、熊本県熊本地方の深さ11キロメートルを震源とするマグニチュード6.5の横ずれ断層型の地震が発生。同県益城(ましき)町で最大震度7、玉名市、宇城市、熊本市などで震度6弱を記録した。その後、同日午後10時07分に最大震度6弱、15日午前0時3分に最大震度6強、16日午前1時25分にはマグニチュード7.3、最大震度6強(のちに最大震度7に訂正)の横ずれ断層型の地震が発生。また同地震の直後に大分県でマグニチュード5.7の別の地震が発生し、同県で震度6弱の激しい揺れが観測された。15日午前0時3分の余震では、国内で初めて長周期地震動の揺れとしては最大の「階級4」を観測した。気象庁は16日、14日に発生したマグニチュード6.5の地震はそれに先立つ「前震」であり、16日午前1時25分の地震が、一連の地震のうち最も規模が大きい「本震」であったと発表。また、20日になって、16日の地震の震度を7に訂正。一連の地震活動で震度7を2回記録したのは、観測史上初めて。その後も余震は続き、同月末時点で、震度6以上を観測した回数は7回、震度1以上は1093回、震度3以上は318回を観測した。前震が日奈久断層帯、本震が布田川断層帯の活動によるもので、一連の地震活動領域は両断層帯と、大分県の別府―万年山(はねやま)断層帯に広がっている。政府は当初、熊本地震を大震災とはあたらないと発表。地震後11日目になってようやく、著しい災害のうち被災地域や被災者への助成や財政援助を特に必要とする激甚災害に指定した。一連の地震による被害状況は、非常災害対策本部によると、5月16日時点で、地震による死者は49人、関連死の疑いが19人、安否不明者1人、負傷者1671人、住宅被害は4万1907件(うち全壊2848件)。なお、鹿児島県薩摩川内(せんだい)市の川内原子力発電所は稼働を続けており、批判がある。