インド宇宙研究機関(ISRO)が開発を進めるスペースシャトルの試験機。再利用が可能な宇宙輸送機の開発を目指して設計、製造に5年をかけ、2016年5月23日に1回目の試験打ち上げが実施された。打ち上げられたのは、実用化する際の5分の1程度のサイズで全長6.5メートル、重量1.75トンの有翼無人機。インド南部のアンドラプラデシュ州にあるサティシュ・ダワン宇宙基地から推進用ロケットとともに打ち上げられた。試験機は予定通り、高度65キロメートルに達した後、下降を始め、発射地点から約500キロメートル離れたベンガル湾に着水した。同国では14年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の1割程度の予算で火星を回る軌道に探査機を乗せるなど、低コストでの宇宙開発に力を入れており、RLV-TDの開発予算も約16億円と極めて少ない。数度の試験を経て全長約40メートルの機体を開発し、30年ごろまでの実用化を目指すとしている。