数学の分野で優れた業績を上げた研究者に贈られる国際的な賞。19世紀のノルウェーの数学者ニールス・ヘンリク・アーベル(1802~29)の生誕200年を記念して2002年に創設された。数学者の地位向上と、子どもや若者の数学に対する意識を高めることを目的として、毎年、ノルウェー科学文学アカデミーが主催、選考する。40歳以下を対象として国際数学者会議(ICM)が授賞するフィールズ賞とは異なり、授賞に年齢制限はない。授賞式は毎年5月に同国のオスロ大学で開かれ、ノルウェー国王によって授与される。賞金額は600万ノルウェークローネ(約1億円)。フィールズ賞と同様、「数学のノーベル賞」と呼ばれることもある。第1回授賞式は創設翌年の03年に行われ、フランスの数学者ジャンピエール・セールが選ばれた。15年の受賞者はノーベル経済学賞受賞者でもあるジョン・ナッシュと、ルイス・ニーレンバーグの二人。非線形偏微分方程式論とその幾何解析への応用が評価された。同年までで、日本人研究者の受賞はまだない。