東南アジア、南アジア、中国南部で、平地から標高2000メートルほどまでの森林に生息する食肉目ネコ科の動物。学名は「Neofelis nebulosa」。ヒョウに似ているがヒョウ属ではなくウンピョウ属に分類される。体長は最大で1メートル程度、体重は最大23キログラム程度とヒョウよりも一回り小さい。尾が長いこと、頭が細長いこと、体格との比率では現生ネコ科動物で最も長い犬歯を持つことなどが主な特徴。体毛の黒く縁どられた斑紋が雲のように見えることが名前の由来で、漢字では「雲豹」と書く。木登りを得意とし、リスのように頭を下に向けて幹を駆け下りたり、後ろ脚だけで枝にぶら下がったりできる。通常は単独で行動し、ヤギ、シカやイノシシなどのほか、樹上のサルや鳥なども捕食する。美しい毛皮を目当てとした狩猟や生息地である森林の伐採によって生息数が減少し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されている。ワシントン条約によって、野生の個体の商取引は禁じられているが、商業目的で繁殖させた個体ならば認められている。イギリスのオックスフォード大学野生生物保護調査ユニットによると、近年、ペットや観光施設の飼育動物としてウンピョウが人気を博しており、1975年から2013年にかけて生体の商取引が42%増加したという。