自然科学の分野で優れた業績を収めた女性科学者に贈られる賞。一般財団法人「女性科学者に明るい未来をの会」が、1981年から毎年一人に贈呈している。同会は、放射性物質による大気、海洋汚染の研究で世界的に知られる地球化学者の猿橋勝子が、中央気象台(現気象庁)気象研究所を定年退官した80年に、女性科学者の研究活動を支援することを目的として創立した団体で、賞の名称も同氏にちなむ。対象は50歳未満の女性科学者とされており、学会などの他薦や自薦による応募者の中から選出。受賞者には賞状に加えて、同会を母体として設立された女性自然科学者研究支援基金から支出された賞金30万円が贈呈される。第1回の受賞者は遺伝学者の太田朋子で、理論物理学者の米沢富美子(第4回)や生物物理学者の黒田玲子(第13回)も歴代受賞者に名を連ねている。