地球上に地殻が形成されてから現在に至るまでの約46億年の期間を指す地質時代において、代、紀、世、期などの時代区分の境界となる代表的な地層であることが国際的に認められた地点に打ち込まれる杭。地球の歴史における時代区分上、重要な境界を示していると国際地質科学連合(IUGS)に認められた「国際標準模式層断面及び地点(国際標準模式地)」に打たれる。一つの地質時代に対して世界で1カ所のみが選定され、選ばれた場所の地名が地質時代の名称として使われる(例として、ジュラ期の名称は、模式地となったフランス・スイス国境のジュラ山脈に由来する)。2015年8月時点で選定されているのは世界65カ所。日本では、千葉県市原市田淵の養老渓谷で確認された約77万2000年前の火山灰層が、第四紀更新世の前期と中期の境界を示す模式地の候補に挙げられている。この地層は白尾層(びゃくびそう)という名称で、地球の歴史上、地磁気のN極とS極が最後に逆転した痕跡が明確に示されている。模式地は、同地層とイタリアにある2カ所の中から16年秋以降に選定される予定で、同地層に決定した場合、日本で初めてゴールデンスパイクが打たれることになり、境界以降の約65万年は千葉時代(千葉期、チバシアン)と呼ばれるようになる。