ゲリラ豪雨などの局地的な集中豪雨を観測するための雨量観測システム。2008年7月に神戸市の都賀川で集中豪雨により発生した増水事故などをきっかけに国土交通省が導入を進め、10年7月に試験運用を開始した。従来の広域レーダー(Cバンドレーダー)よりも電波の波長が短い新型のXバンドMPレーダーを用いることで、最小観測範囲を1キロメートル四方から250メートル四方に精密化。観測データの配信周期も5分から1分になった。また、従来型では地上雨量計による補正が必要だったため、観測からデータ配信まで5~10分かかっていたが、新型では補正が不要になり、所要時間は1~2分とほぼリアルタイムで配信できるようになった。新型レーダーは13年7月時点で全国27カ所に設置されている。観測データは同省ウェブサイト(http://www.river.go.jp/xbandradar/)で閲覧できるほか、配信データを利用したスマートフォン用アプリなども多数開発されており、13年6月にはサイトへのアクセス数が1日平均で140万件を記録した。