木材から得られるパルプなどの原料を、100万分の1ミリメートルのナノサイズにまで細かくほぐして作った繊維。セルロースナノファイバー(超微細植物結晶繊維)とも呼ばれる。鋼鉄の5分の1の重量で約5倍以上の強度があり、熱による変形もガラスの50分の1程度という優れた特徴がある。また、間伐材や稲わら、サトウキビの搾りかすなどを原料として利用できることから、環境負荷が少ないエコ素材としても注目されている。2014年6月1日、実用化を担う関係機関の共同開発研究や連携などを目的とした産業技術総合研究所(産総研)コンソーシアム・ナノセルロースフォーラムが設置され、製紙会社や自動車会社、化学メーカーなど、国内の100を超える企業が参加。自動車部品、住宅建材、内装材のほか、人工血管、透明ディスプレー、太陽電池基板などの素材として、幅広い分野での活用、事業化が進められることとなった。