火星が地球に接近し、普段よりも大きく明るく見える現象。太陽系で地球の一つ外側を公転する火星は約780日の周期で地球への接近を繰り返している。地球の公転軌道がほぼ円を描くのに対し、火星の軌道はやや楕円(だえん)形のため、地球と接近する位置は毎回ずれて距離も約6000万キロメートルから約1億キロメートルの間で変わる。そのため、地球上から見た際の明るさは、最も遠いときと近いときで2等級ほど変化する。2016年5月31日には地球との距離が7528万キロメートルまで接近。05年11月以来の近さになり、見た目の大きさが16年1月に比べて直径約3倍に、明るさが1等星の約15倍になったことで大きな注目を集めた。18年7月31日には5759万キロメートルまで接近し、6万年ぶりの接近といわれた03年8月に次ぐ近さになる。なお、月と地球の距離も36万キロメートルから40万キロメートルの間で変化しており、最接近したときはスーパームーンと呼ばれる。