アメリカのアップル社が、iPhoneやiPad、iPod touchなどの機器向けに開発した基本ソフト(OS)。2013年6月に同社が主催した開発者向けのイベントで発表されたもので、同年9月に発売される新機種(iPhone5s、iPhone5c)から標準搭載される。従来のiOSからの大きな変更点はユーザーインターフェース(UI)で、07年に発売された初代iPhone以来続けてきたアイコンの立体的な表示やグラデーションの配色をやめ、平面的でシンプルなフラットデザインに一新した。機能面では、Wi-Fi機能の切り替えや音楽再生の操作など、頻繁に利用する機能をまとめて表示する「コントロールセンター」を新設。また、従来は部分的な対応にとどまっていたマルチタスキング(複数のアプリを同時に併用する機能)も全てのアプリで対応できるようになったほか、音声認識プログラムの「Siri」では女性の声に加えて男性の声も選択可能になった。スマートフォンやタブレット端末の市場におけるAndroid勢などとの競争が激化するなか、徐々に成長が鈍りつつある同社がこうした変更によって形勢を挽回できるかどうかに注目が集まっている。