会社員の山本一成が開発したコンピューター将棋ソフト。同氏が東京大学大学院に在学中に個人で開発し、2009年に開催された「第19回世界コンピューター将棋選手権」でデビュー。12年の第22回大会では4位になった。13年3月には、5人のプロ棋士と5種類の将棋ソフトが団体戦を行う「第2回将棋電王戦」で、将棋ソフトチームの次鋒として参加。佐藤慎一四段と平手(ハンディなし)の持ち時間各4時間で対局し、141手で勝利した。対局時の「ponanza」は合計10台のコンピューターを使った並列処理を行っており、1秒間に3000万~4500万のパターンを計算できるという。将棋ソフトが現役のプロ棋士に公式の対局で勝利したのは史上初の出来事だったため、大きな話題になった。チェスでは1997年にソフト「ディープ・ブルー」が世界チャンピオンに勝利していたが、将棋ではルールの複雑さなどから、1970年代のソフト開発開始以来、長く人間に勝てずにいた。しかし、近年ではソフトの開発手法やハードの性能が急速に進化し、2010年には清水市代女流六段を、12年にはすでに引退していた米長邦雄永世棋聖を破っていた。