中国のインターネット検索大手、百度(バイドゥ)が無料提供するパソコン用日本語入力システム。2009年に公開され、日本国内の推定利用者数は200万人以上。無料ソフトの配布サイトで表計算や文書編集ソフトと抱き合わせで配布されることが多く、他のソフトをインストールする際に、気づかないうちにパソコンに入ってしまう可能性がある。13年12月、Baidu IMEを利用して変換した文字や文章、パソコン固有のIDなどが利用者に無断で同社のサーバーへ送信されていたことが判明し、問題となった。入力内容をサーバーへ送信し、変換結果を返信するクラウド変換が作動していたためだが、利用規約などには表示されていなかった。また、同機能をオフにしても送信されることが情報セキュリティ会社、ネットエージェント(本社・東京都墨田区)の解析で判明。外務省や東京大学などのパソコンにもインストールされていたことがわかり、内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)や文部科学省は、機密情報などが外部に漏れる可能性があるとして中央省庁や大学、研究機関に使用停止を呼びかけた。また、百度が提供するAndroid用の日本語入力ソフト「Simeji」でも同様の問題が判明。同社は12月30日、クラウド変換が無効化されたそれぞれのソフトの新バージョン配布を開始した。