パソコンやスマートフォンに侵入して個人情報などを奪うソフトウエアの開発、販売を行うイタリアの企業名(本社・ミラノ)。創業は2003年。同社の主力商品とされる遠隔監視ソフト「ガリレオ」は、監視対象者のパソコンなどをコンピューターウイルスに感染させ、通信の傍受や内部データへのアクセスを実行。音声通話やメール、SNSへの投稿、位置情報などを抜き取る。同社では、捜査機関などが犯罪容疑者から情報を取得するためのソフトとしている。15年7月上旬、同社がサイバー攻撃を受けて、従業員や顧客の情報など、大量の社内情報がインターネット上に流出したことが発覚。同月23日までに内部告発サイト「ウィキリークス」で公開された内部文書には、アメリカやロシア、メキシコ、スーダンなど37カ国の機関名が記された購入者リストが含まれていた。韓国では国の情報機関である国家情報院が購入したことを認め、政府批判派の監視に使われた疑惑が政治問題化。ほかに購入した国でも、国民の監視に利用された疑いが指摘されるなど、世界的に波紋を広げている。