2016年10月8日午前1時46分頃、熊本県の阿蘇山中岳の第1火口で発生した噴火。噴火は、火山ガスの急激な膨張や岩石の噴出、空気の振動などを伴う爆発的噴火で、噴煙は高さ1万1000メートルにまで達し、同県阿蘇市や大分県大分市だけでなく、火口から300キロ以上離れた香川県高松市や愛媛県松山市など、広い範囲にわたって降灰が確認された。阿蘇山中岳第1火口で爆発的噴火が発生したのは、1980年1月26日以来36年ぶり。気象庁では、阿蘇山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、火口から約2キロの範囲では噴石への警戒を呼びかけた。熊本県南阿蘇村では、噴火に伴う火山性微動で震度2の揺れを観測。阿蘇山の火山性微動で震度2以上の揺れが観測されたのは、95年1月4日以来となる。また、同県では2016年10月8日午前2時頃、降灰と雨の影響により、阿蘇市など4市町村の約2万9000戸で停電が発生。午後にも、熊本、大分両県の約2万7000戸で停電が発生した。同月11日、気象庁は8日の噴火が、主に地下水がマグマに接触して爆発を起こすマグマ水蒸気噴火の可能性があると発表した。