青みを帯びた銀白色の重金属。原子番号は48で、元素記号はCd。1817年にドイツの化学者シュトロマイヤーが発見、命名した。地殻中に天然に存在し、鉛や銅、亜鉛などの金属とともに広く分布する。合金の材料やメッキ、電池、顔料などに利用される。人体に対して毒性を持ち、経口摂取や呼吸器を通しての摂取で体内に吸収されると、主に腎臓に蓄積。長期間にわたり、一定以上の濃度で摂取し続けると、腎障害などを引き起こし、最終的には腎不全で死に至ることもある。富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病も、鉱山の廃水に含まれていたカドミウムを長期にわたり高濃度で摂取したことが原因。土壌や水を経由して農作物や魚介類にも含まれており、日本では、主食のコメから摂取する割合が多い。食品衛生法では、玄米および精米の1キログラムあたり0.4ミリグラム未満が基準値とされ、それを上回るカドミウムが検出されたものは処分されている。2013年5月には、中国広東省広州市の食品薬品監督管理局が実施した調査で、市内で流通するコメとコメ加工品のサンプル18品のうち8品から、中国の基準値である1キログラムあたり0.2ミリグラムを超えるカドミウムが検出されたことが発表され、問題になった。