地下のマグマの上昇や蓄積量の増加によって、火山の山体そのものが膨らむ現象。火山は活動を活発化させるマグマや、それによって発生した火山ガスなどの圧力で膨張し、噴火してマグマが放出されると収縮に転じる。こうした膨張と収縮は、火山周辺に設置された傾斜計や伸縮計、GPSなどで精密な測量を行うことで検出する。気象庁では、震度計や遠望カメラによる観測と合わせて、膨張に関する検出データが噴火予知や火山活動の推移の予測に用いられている。2015年1月1日には、鹿児島県の桜島で山体の膨張によると考えられる地殻変動が検出され、その後も膨張を示す観測結果が続いた。桜島では、12年7月と13年8月の噴火の際にも同様の膨張が観測されており、それらと同程度か、それ以上の規模の噴火の恐れがあるとして、気象庁が噴石や降灰、火砕流への警戒を呼びかけた。